アクセシブルな授業とインクルーシブ教育
先日、元同僚で現在も一緒に活動している学びプラネット合同会社の平林ルミさんによる月1セミナー、『実践共有「子どもと取り組むアクセシブルな授業づくり 〜特別な場ではなく教室の中で行う変更・調整〜』に参加しました。
ゲストスピーカーとして、小学校の通級指導教室の担任であり、特別支援コーディネーターのご担当でもある先生が登壇され、実践を共有してくださいました。タイトルにある通り、まさに「特別な場」ではなく、特別な授業をするわけでもなく、ちょっとした工夫で通常の教室・いつもの授業やテストがアクセシブルになるというお話でした。
GIGAスクールが始まった今となっては、通常の教室にタブレットがあることは普通のこととなりましたが、読み書きに必要な支援が受けづらいという話はまだまだ耳にします。それは、「支援」というと何か特別なことをしなければならないんじゃないか、という心のハードルが高いからなのかもしれません。今回の先生の実践をお聞きして思ったのは、「こんなに簡単にできるんだ!」ということでした。
先生の取り組みは、特別なITの知識やスキルが必要とされることでもありません。子どもの苦手なことだけでなく好きなことや得意なことを含めてよく観察して、「こんなのあるらしいよ」と対話するところから始まります。見立てと違うリアクションがあったとしたら、「へ〜そうなんだ。どうして?」と聞いてみる。そして、子どもから出てきた反応を、いつもの授業に反映させるのだそうです。それを当たり前のこととしてやっていると、支援を必要としない他の子どもたちも、それが当たり前と思うようです。よく、「他の子がズルいと言うかもしれないから・・・」と言う心配をされますが、当たり前のようにやっているとそんな声は出てこないそうです。
つまり、ICTを使った読み書きの支援は、ICTの問題ではないのだと思います。特別な子どもに特別なことをしてあげるのではなく、誰もが環境や状況によっては支援の対象になり得るのだという前提にたてば、誰にでも必要な変更や調整を行うことは当たり前のことになるのではないかと思います。それこそがインクルーシブ教育なんじゃないでしょうか。
ぜひ、みなさんにも聞いていただきたいです!
6月26日まで「あとから配信のあとから申し込み」を受け付けているそうなので、ご興味のある方はぜひ申し込んでみてください!